2021年のキーボードスイッチレビュー

今年買ってきたスイッチ類の感想をまとめる。
自己紹介。赤軸派。タクタイルは好きでない。

Everglide HoneyWaxYellow (蜜腊黄)
結局、このスイッチが今年のずっとメインスイッチとなった。
これにLubeとFilmをするだけで最も長く使うスイッチに君臨した。もっともさわり心地が良くて、音も良い赤軸相当になった。黄色なのだけど。
Cherryの色設定とつながらないが、赤軸っぽいもので最も良い。
残念ながら、KBDFansでもEverGlide製品を扱うkprepublicでもこれだけ扱ってない変則的な扱いになっている。
おそらくはDurock L1なのかと思うのだけれどいまだ確認出来ていない。

Jwick Red switch
職場のキーボードはこれがメインになった。
職場に持ち込んでいるキーボードのスイッチはそれまでずっと赤軸だったので、それじゃないと嫌だけれど流石にCherry赤軸はもう選ぶ理由にならないと思ってこれにした。
元々discordでも謎に安い情報があり、Everglideの江小紅と同様のブランドとしてリリースしたので、それなのだろうと思っている。
ルブも最初から問題を感じないようにしているので、そのまま使うなら全然良いと思ったのが特徴だ。
高額かつマイナーなものをギャンブルで買うぐらいならまずこれを勧めるぐらい、ベーシックなスイッチしてはおすすめになった。

C3 Equalz tangerine
そこそこ良かったけれど、最終的に使う候補にならなかった。
これについては、スイッチとしてはおそらく「62gにしては55gぐらいに軽快で、とても内部的に製造の出来が良い」というような感想だから評判が良いという認識でいる。
というのも他の62gと銘打ったスイッチを買うものの、これよりも重いと感じるからだ。
滑らかさについては、蜜腊黄同等で滑らかでいい音だった。しかし、LED系のものがあると全部赤色にしか見えなくなる。LEDを使わないものなら全然問題ないが、そういう見た目的にネガティブな影響を出すという事は思っても見なかったのでクリア系のケースは透明以外は敬遠するべき、という指標を持った。

C3 Equalz BananaSplit
音については、最高峰だとは思ったが実際は使わなかった。動画などで紹介されているようなかなり高級なスイッチの音、という提示は出来たと思う。
ただしスイッチについては、63.5gと赤軸よりも黒軸のフィーリングにかなり近いものになっている。バネを入れ替えようとしたがそれもあまり価値のない行為と思ってそのままにしている。
1時間で手が痛くなるというのはかなりマイナスだった。自分でも軽いバネじゃないとダメというのが分かり、ここからバネについてはかなり慎重になってきた。
本当にならFierce Girlを買った方が良いのかもしれないが、蜜腊黄を蹴ってまで冒険しようという魅力は無かったというのが結論。

DUROCK Full POM
こちらは音はさておき、滑らかさでは今の最高峰というのが提示されたものだと思う。
こちらも結局63.5と重めのバネになっていて、これ以上の軽いバリエーションが作られていないのでそういう意味では実験的。どちらかというと黒軸派のためのものだった。
一度、バネを交換しようと思ったが、昨今の物流や生産状況から、バネ自体を調達するのが億劫になってしまったので、これも追求としてなにかをすることはなくなってしまった。

Everglide WaterKing
今年のワースト。最初のバッチを取りに行った人柱になってしまった。
スイッチの9割が押しても戻りが悪いし、ぐちゅぐちゅとした音が鳴る。蓋を開けたら鼻くそみたいな硬いグリスが塗られていて潤滑の意味とは、と考えるほどだった。
37gのものを買ったけれど、とてもそんなものとも思えない重さでクソを掴まされたという感想しか無い。その後3ヶ月ぐらいの次のバッチで37g自体の存在は消されてるしDiscordが盛り上がっていたのでふて寝をして、何も買わなかったという記憶に塗り替えた。
単なる偽物ではなくて本物のクソ、ということでは今年はかなり大きなトラウマが出来た。
今のバージョンを買ったらいい出来のものが来るのだとは思う。

Everglide Sakura Pink
これは位置づけはGateron白軸に相当するもので、そもそもGateronの白軸自体、逆に軽すぎて手が痛くなるという状態がわかってしまったため、使わなくなってしまった。
ある程度高級なフィーリングになれるのが良かったので、実験的に作った60%キーボードの素材として活用した。DSA系のキーキャップならある程度は重くなれるからそういうので調整すれば良いかもしれない。

TTC GoldPink
元気の良い赤軸。押したときの跳ね返りについては今までのスイッチに無い強さを感じたので不思議に思う。
ただし工場でもルブしてるのにカサつく音が強く、ずっとシャリシャリとした感じが不満に思ってしまった。他にもTTC Speedなども買ったけれど、シャリシャリとしたルブについては滑らかさが全くなく、自分でやらないと良いものにはならない感じだった。

TTC Speed Switch
GoldPinkに近いがこちらは、黒軸寄りの重みがあった。基本スピードタイプは入力ミスを防ぐために重めにするという通例があって、これも同様に重めになっている。なので使っているとじんわりと疲れて来るため、思ったよりも体に負担を掛けているということが分かってしまったため、辞めた。バネの感覚はGoldPink同様に元気な感じがあるので癖になる。

Kailh Pro Box RED
今年初頭に買ったけれど、今からするとずっと古いものなのだなと思ってしまった。
重さは不満は無かったが、シャリシャリ音もひどく、軸ブレも大きく、前時代的な作りだと感じてしまった。
去年はそういうのに気づかずに選んでいて、Cherryの赤軸同様にいい感じだと思っていたが、もう色々なスイッチを知ってからは使えなくなってしまった。

Kailh Pro burgundy
一昨年ぐらいの最高峰だと思ったけれど、今になったらKailh Pro Box REDよりちょっと上、ぐらいの位置付け。
滑らかだけれど、軸ブレもそこそこあって、そういう意味では一つ世代は前のままという感じだ。さらにはJwickの赤軸という今までのリニア軸のある程度のモデルを淘汰できる存在が出来てしまったので、これをあえて買うというのは無くなってしまった。

2021.12.27 / Category : 小噺