社会人になって10年経ちました

10年分の感想をまとめる事で、次の世代の糧にしてもらえたらと願います。

・学生時代、1ヶ月単位で色んなバイトをやっとけば良かった
学習塾の講師や駐車場、皿洗いのバイト等をやってましたが、もっと色々な仕事場を見たかったです。バーやら、イベント会場、テレビ局やラジオ、出版社、工場に役所に駅員とか、色々な所で1ヶ月だけ働く。自分の特性が分かるきっかけ作りはあった方が良いです。何が得意で、何が苦手とか。

私の場合はサービス業でメシを食ってきた家系だと気がついて、そこから今の仕事につなげています。血は争えないというか、誰とも会話しない仕事が向いているのでは?と考えていたのですが、そこは思い込みでした。ただし、吹っかける様な事や心理戦が苦手な為に、営業には向いていないというのに気がついたのも働き出してからの事でした。

・自活できると色々学べる
社会人になってから一人暮らしを始めましたが、洗濯・炊事が出来るようになり、場合によってはこれらがストレス解消に繋がることも知ったので助かりました。あとは母親に深く感謝できるようになりました。

・精神的な問題がある時は、睡眠時間が足りてない
頭痛薬で誤魔化せる頭痛は睡眠不足が原因というのがよくありました。自分に必要な睡眠時間を確保出来ないと日常生活に支障が発生します。物覚えが悪くなったり、忘れ物、判断を誤ったりなど。睡眠は食ってすぐ寝るよりも、家事程度でも運動して風呂に入って寝るのが大切です。

・冬になったら暖は取れ
冬は常に自分の体温を保持する為に疲れやすくなります。特に就寝中は疲れが取れなくなって、倦怠感が酷くなります。
強がって寒いのに薄着になったり、着込めば暖房費が節約できるとか言わず、自分の体力維持のために暖房を使いましょう。

・健康診断を受けろ
行ける機会はかなり限られているので、仕事を滞らせても行くべきです。病気になっても会社は面倒を見ません(給料を払いません)。
20代後半から色々な体の異変があるので、オプションの余裕があったら色々追加で受けるのも良いと思います。

・何かをしたい、みたいな夢を持った瞬間に身を崩すことが多い
最初は音楽制作でメシを食いたい!と思ってた時期もありましたが、今ではそんなにないというスタンスです。理由は好きなことだけをさせてくれないから。関係ない交渉・営業、やら変なマネージメントとか進捗管理とかやらないとお金をもらえません。これを理由に一時期、本気で海外に移住しようかと考えました。

働き出しても、その道何十年というプロと比べられて、何か一つでも欠けていたらクソミソ言われて不愉快になったり、訳分からない仕事で時間を潰されて、結局何の為にこれをやってんだ?みたいな事が多くありました。で、ストレスや、自分の時間という名の睡眠時間が削られて体調が悪くなりがちになります。1周間は原因不明の熱やら頭痛、目眩が止まらなくなったり。挙句に急性内耳炎に掛かったりもしました。
だったら自分の得意なことでサッサと仕事を終わらせて家で好き勝手やろうと切り替えたら人生豊かになりました。得意な事を探して、自分の都合に合う仕事環境を見つけて、それでメシを食うのが気持ち的にも楽です。

・優良な会社とは兵站(後方支援)がしっかりしている所
ホワイトな企業とはどこかと言われ、仕事量が少なくて給料が多い、という観点でのみ語られます。後方支援と言っても福利厚生が良いとか、有給が多いとか、資格取得に報奨金を出すとか。そういうのではなく、私個人の考えは、自分の仕事は何をすれば良いのか明確にされていて、最低限必要なマニュアルは全て用意されているか、と目的がはっきりしている所が非常に優秀な職場と考えます。そういうのがしっかりしていると、福利厚生が自然と充実している流れがよくありました。なので福利厚生が、メチャクチャだったりバランスがおかしいと業務内容も怪しいと疑ったほうがいいでしょう。私のケースでは、求人記事で明確な仕事を規定しているのに、実際働いたら経営者は職務の理解もしていない、職務の目的も分かってない、野放図にされるというのがよくありました。

・取るべき資格
色々とありますが、ポイントは「素人を黙らせる効力を持つもの」です。
MOSは意味ありません。TOEICは良さそうですが、「そのスコアを取れたので国の仕事が許可なしで出来る」というのが無いので実質、社内政治用です。知ったかぶりが多くいますので、その人に釘を刺し、牽制できるなら何でも良かったりします。業界でも主要な協会の会員というのも悪くありません。

・誰かが悪者になるまでは問題が解決できない人たちが多数いる
システムに欠陥や問題があっても、それが間違っていると考えられない人がいて、しかもそれに慣れているからという理由だけで、システムに問題を抱えたまま仕事を続けているというのがよくあります。で、間違っているのはそいつの気合や根性が足りないからだ、という理由でダメ人間のレッテルを貼って問題解決をしない、というのがよくある、というか殆どです。この前も20代の子がこの考えで愚痴をこぼしていました。この辺りの問題は総務や管理職の能力による問題にたどり着きます。総務という明確な部署や権限がないところだと特に。

・システムを変える考えがないから、教育する(言って済ます)
仕事をするために必要な共通知識を書類や、手順書など準備できず、先輩が口で全て伝えて済ませるところが殆どです。
忙しいから手順書なんか作れない、と言いますが実際は単なる業務指示拒否が多いです。それに標準作業手順書(sop)が存在しても、無視する事もよくあります。結果、社内業務なのに出来る人と出来ない人の差が発生して、誰かが休んだら業務が滞り、部署としての機能が果たせない。職場としては非常に危険な状態ですが、気軽に無視されています。マニュアルがあり、明確にそれに従った運用をされている職場だと(例え劣悪な環境と言われてても)実際の環境が良いことが多かったです。

・優良な教育は「任せる」「承認する」「失敗を暖かく見る」
自分が教育側になって度々失敗しています。が、自分の能力を伸ばしてくれた人たちを振り返って見たら、こういう共通点が有りました。
マニュアルに無いことを自分で提案したら任せてくれる。それでうまくいかない場合は、何が足りなくて達成できないか、と相談して欲しい。最初はうまくいかないだろうけど、経験的に対応方法が分からず、困ったらヘルプを求めろ、と。

これが出来るのは環境と人によります。とにかく忍耐を要求されるものなので、これが提供できる会社というのはレアです。
自分がよくやる失敗は「自分で基準を作り、外れた時に、基準超えをするにどうするか考える事がマネージメント」という考えです。
実は他人に対して期待するというのが悪い部分で行動に現れている、というのを知りました。しかも実際は、相手を縄で縛って引きずり回すだけ。最初のハードルを高く設定して何度も心を折って、失敗します。後々考えて苦労するよりも最初に苦労しておこう、となるとハードルは高くなる一方でした。実際は、そんなことよりも相手の体調や忙しさ、モチベーションを確認しつつ追いかけて行くほうが良い、というのを知りました。

進捗管理してる側からすると、自分がしっかりしてないと、みたいな危機感を持つのが当たり前のようになるのですが、相手にとっては干渉の深度、回数関わらず信頼されてない、とアウトプットが悪くなります。失敗しても暖かく許容していく、そっちのほうがずっと良いです。
期待、というのは文字通り受け身で待って、働きかけてはいけないのだと学びました。

2014.05.11 / Category : 小噺,日常