Dubstep界隈の楽しみ方・ジャンル定義

日本語で書かれた文書がそれほどないので、個人的な体験のみでdubstepというジャンルの楽しみ方を紹介したいと思います。ジャンルの歴史については日本語での解説についてはこの記事を読めば殆どよいと思うぐらい、多く書かれています。

お前らダブステップって音楽知ってるか?
http://blog.livedoor.jp/music_war/archives/12116977.html

音楽を聞いて楽しむ分にはそんなに重要ではないと思います。というのも、この記事にはdubstepの現在のメインストリームのアーティストは殆ど登場して来ません。
「J-POPの歴史から」みたいな本や雑誌を読まずに充分音楽を楽しめた、という私自身の体験もありますが、正直このようなものを読む時にはDJだったり、イギリスのレーベルにデモテープを送るぐらいのタイミングでも良いような気がします。

あんまりこの辺りを完全に記憶するつもりもなく、なんとなくでいいかなと思います。

敢えて、補足するとしたらドラムンベース界隈と何故親和性が良いのかというと、ドラムンベースが単純に雑食性極まるジャンルだからだと思われます。
メインストリーム系はエレクトロハウス、ブラジリアンステップとボサノバ、ドリルンベースとエレクトロニカ・・・のように、他のジャンルとかけ合わせやすい土台があり、ダブステップと合流しているだけにしか過ぎない、という感じがしています。

ダブステップはどこまでがそれか、という定義の疑問がありますが「演歌」に考えてみると分かりやすく理解できます。
例えば、有名曲を例にあげてみると

・鳥羽一郎「兄弟船」
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=ZmH3qXra-9U[/youtube]
・北島三郎の「祭」
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=TiolnjmV7nU[/youtube]
・金沢明子「イエローサブマリン音頭」
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=or9eOMtM5U0[/youtube]

全然毛色も違うけれど、同じジャンルとして扱われている感じがダブステップと非常に似ています。
「兄弟船」はド演歌と呼ばれる、一般的にしんみりした曲調でわかりやすいクラシックです。そして、「祭」はそれこそアンセムであり華々しい歌であり、「兄弟船」とは180度違うものです。そして、「イエローサブマリン音頭」は演歌ではなく音頭というジャンルが正しい言い方です。ですが本人が演歌歌手であること、演奏されるのが演歌シーン界隈であることから、演歌と認識されているものです。これをダブステップに当てはめれば、

・coki & benga「night」
http://www.youtube.com/watch?v=zMR5K2QWfJk

・skrillex「scary monster and nice sprites」

・burial「arch angel」
http://www.youtube.com/watch?v=IlEkvbRmfrA

とそのまま置き換えことが出来ます。
「night」は正当なダブステップ、「scary monster and nice sprites」はダブステップの生い立ちとは180度違うもの、「arch angel」はレーベルやクラブのジャンルによりダブステップと認識されているものです。しかし全ては同じジャンルで扱われており、注目を集めています。

ここでブロステップやポストダブステップが異端だとか、言う意見がありますが、演歌で考えた時「演歌とは・・・とあるべき」みたいな話は聞いたことがありません。
それよりかは演歌という大きな枠で「任侠物」「股旅物」みたいな位置付けでどこに位置づけるかという話になるような気がします。

こういう定義から、dubstepという中に改めてjames brakeはダブステップアーティストではないという個人的な立場を取っています。

2012.11.03 / Category : 小噺