読了「おしえて! ギャル子ちゃん」

女の子の恥じらいを楽しむマンガ。
可愛いけど、リアルな感情として共有はされないものではなさそう、という不思議さを覚えた。
独自の色彩感覚のせいか、情報量が多いと整理するのに時間が掛かったような気持ちだった。

読者や各登場人物が抱く、他人への理想や欲求みたいなものをギャル子が担っていて、優しさを提供したり、煩悩の具現のように捉えてしまった。
定期的な男性目線からのセクハラをした時に求めてる恥ずかしがるリアクションだったり、キャラとの掛け合いで母親のような慈愛を施すところなどが基本、そんな完成された少女などいないのに世界がそれがないと成立しないみたいな歪な感じも見えてしまった。

彼女が何でも出来てしまう、収めてしまうという所から世界が始まるのでワンパンマンに近い絶対的なオチに向かう強さのようなものがあると感じた。
なので彼女がやることすべて、誰かの悪意を受け取ってから、無上の愛として返しているみたいなコミュニケーションを見ると罪悪感が募ってくる。彼女の仕草がすべて何かの悪意を背負ったものというふうに見えてくるのだ。
何も考えないで見る分には気にならないが、読んだ後のなんだかモヤモヤとした感じは、不思議な気持ちになる。

2020.12.04 / Category : 小噺